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シンゴジラ NAGNAGNAG・ハマハヤオ インタビュー
Shin Godzilla NAGNAGNAG and Hamahayao interview in ENGLISH





NAGNAGNAG
2008年8月15日、第1作目のオリジナルソフビ「暴力原人」を発表して以来、
世界中に衝撃と感動を与え続けた孤高の存在 NAGNAGNAG。
同年末ニューヨークを拠点とするファッションブランドMISHKA、
西海岸を代表するアーティストCoopとのコラボレーションを開始。
これまでFrank Kozik、Tara McPherson、Johnny Ryan、have a good timeなどと
コラボレーション作品を発表している。
プロデュース作品に「超合拳リキダイザー3」(発売元/ゴロー)など。
近年はメディコム・トイとゴジラプロジェクトを展開中。
※本インタビューは2023年10月27日に収録されました。

1. 「シン・ゴジラ」造形について
1) 今回の「シン・ゴジラ」プロジェクトについて経緯を教えてください。また、なぜ今回「シン・ゴジラ」を選ばれたのか、キャラクターチョイスの理由を聞かせてください

シン・ゴジラのデザインを御担当されたのは竹谷隆之さんですが、草案段階で庵野監督さんから竹谷さんへデザインを立体物として
完成されたいと持ち込まれたのがビリケン商会さんの初代ゴジラという話を聞き、当時初代ゴジラの原型を御担当されたハマハヤオさんが今回、
シン・ゴジラを造形するという、シン・ゴジラ誕生の経緯の逆アンサーを実現したいと考えたからです。
2020年にTara McPhersonとのプロジェクトで製作したZombie Ice Babyという立体の時もハマハヤオさんとご一緒したいと考えていましたが、
当時は彼とのコネクションがありませんでしたので今回、ようやく実現できました。

2) 今回、ハマさんが原型を担当されています。NAGNAGNAGさんのご指名だったとうかがいましたが、その理由をぜひ教えてください

ビリケン商会のソフビが誕生してからハマハヤオ原型のファンでした。

3) 完成した原型ですが、ポージングの指定以外、原型修正は全くなかったとうかがいました。初めて完成原型を見た時の感想を聞かせて下さい

ハマハヤオさんの原型だと思いました。(笑)
原型完成に2年近く掛かりましたが、お待ちした甲斐がありました。

4) 今回は全ての彩色をご担当されるとうかがいました。ハマ造形にどのように彩色で挑まれましたか? 彩色コンセプトを教えてください

いつも通りです。造型を生かした彩色を心がけました。


2.これまで手掛けられてきた「ゴジラ」について

5) NAGNAGNAGさんはこれまでメディコム・トイさんで「ゴジラ」ソフビを手掛けられています。毎回どのような思いで「ゴジラ」ソフビの制作に挑まれているのか聞かせてください

立体映えさせること。現実には存在しない色を現実化させること。
自分自身が欲しいと思えることが大事です。

6) 昭和から令和の現在まで続く映画『ゴジラ』シリーズへの思いなどあったら聞かせてください

最初に惹かれたのはメカゴジラでした。
次がモスゴジです。
平成以降のゴジラも好きですが、自分の中で馴染むのに少し時間が掛かりました。


3. 原型師ハマハヤオ氏について
7) 「シン・ゴジラ」は、NAGNAGNAGさんの原型師ハマハヤオ氏へのリスペクトから実現したとうかがいました。そんなハマ原型の魅力や思いを聞かせてください

ラインの艶めかしさ、ぬめり。
シン・ゴジラに限らず、近作のロボット刑事も素晴らしかったです。

8) ハマさんといえば過去にSFモンスター、東宝怪獣、ウルトラ怪獣など、様々な原型を手掛けられています。そんなハマ原型で個人的に思い入れのあるベスト3があればぜひ教えてください

メタルナ・ミュータント、イーマ、サイクロプスなど初期の作品が好みです。
特にメタルナ・ミュータントは古い造形ですが、ハマさんの原型が未だに最高峰だと思います。

9) 今回「シン・ゴジラ」で初めてハマさんと一緒にプロジェクトを進められました。ぜひその感想を聞かせてください

2017年にビリケン商会さんから発売されたミクラス以降、久しぶりの実写立体だと思いますが、その審美眼は相変わらずですね。塗装、難しかったです。

10) もしかしたら、この「シン・ゴジラ」でハマさんのリアルモデル造形は最後かもしれないとうかがいました。それを聞かれたNAGNAGNAGさんの思いを聞かせてください

そんなわけにはいかないでしょう。
コミック作品の立体を見ても、ハマハヤオ独特のラインは健在ですし、まだまだ頑張ってほしいと思います。


4. 現在のメディコム・トイさんとの取組について
11) メディコム・トイさんとの「ゴジラ」プロジェクトは、今後も継続されると思います。今後どのような展開を考えているのか明かせる範囲でいいので教えてください

基本的にはインプロビゼーション (即興)で企画を創案します。
一晩寝てみて、未だその企画が正しいと思えれば決定します。

12) 最後に今回の「シン・ゴジラ」に期待しているファンへのメッセージをお願いします

品物は保証します。


ハマハヤオ
'57年熊本県天草市に生まれる。
'75〜'78美術系大学を目指して浪人生活。以降ほぼプータロウ。
'83南青山の骨董玩具店、ビリケン商会のオーナー・三原氏に誘われて、
キャストキット、"メタルナ-ミュータント"でフィギュアキット原型師デビュー。
同年、"メタルナ-ミュータント"がソフトビニールのキット商品化。
ソフトビニールのキット商品は世界初と言われている。
以降、現在もフィギュア原型作家として活動中。

1.「シン・ゴジラ」の造形について
1) NAGNAGNAGさん、メディコム・トイさんのプロジェクトとして発表されたリアルモデルの「シン・ゴジラ」で造形を担当されました。
NAGNAGNAGさんからのご指名という流れだったようですが、参加経緯というか依頼連絡が来た時の感想を教えてください

オタキックのワシザワさんよりメディコム・トイさんからの依頼でNAGNAGNAGさんの指名という事でとても嬉しく思いました。

2) 今回の「シン・ゴジラ」ですが、造形に関して何かオーダーはありましたか? そして「どう造形しようか?」など、はじめに何を思ったのでしょうか?

“ハマハヤオ風に”と言う依頼だったと思います。という事で、自分でデザインしなくてはならなかったのですが…

3) 今回の「シン・ゴジラ」の造形コンセプトなどありましたら教えてください

シン・ゴジラをデザイン、造形された竹谷さんへ庵野監督から資料として、私の初代ゴジラが渡された。と、いうエピソードを聞きました。
そこで、セルフパロディとしてその初代ゴジラと同じポーズで造ることにしました。

4) 今回、造形作業をする中で、最も注意した点やご苦労された点などありましたら聞かせてください

体表モールドに色んな表現があるので、初めての素材を使ったり、新しいテクニックを試したり…

5) 完成した原型を振り返ってみて手応えはいかがでしたか?

私の過去作との流れでは満足する出来になったと思ってますが、オーダー通りに造れず、リアルになったのは残念です。

6) そしてソフビが完成しました。サンプルはご覧になっているのでしょうか? ソフビサンプルを見た感想を聞かせてください

写真を見ました。早く手にとって、足元から見上げるように見てみたいです。


2.『シン・ゴジラ』を始め『ゴジラ』シリーズについて

7) 『シン・ゴジラ』は鑑賞されていると思います。作品を見た感想などありましたら教えてください

大好きです。特にゴジラのコンセプト、造形!

8) 『シン・ゴジラ』に登場した今回、造形された「ゴジラ2016」というキャラクターについて、デザインやキャラクター性について感じたことがあれば教えて下さい

ヘドラ的な成長にともなう変態。ハリウッドGODZILLAのラストの卵のような、目の前のゴジラを倒しても、ゴジラは続く…的な、シン・ゴジラの尻尾の表現など、
過去作へのオマージュと、斬新なアイデア。素晴らしいです。

9) 昭和から令和の現在まで続く『ゴジラ』シリーズという作品についてどんな感想をお持ちですか?

正直言って、'84版ゴジラからのすべてのゴジラに造りたいと言う衝動は起こりませんでした。 "シン・ゴジラ“は大好物です!


3. 原型師としてのキャリアについて

10) ハマさんといえばビリケン商会さんの「リアルモデルキットシリーズ」の原型で、ガレージキット創世記の1980年代に、その名がファンに浸透しました。
シリーズでは「ゴジラ」スーツバリエーションが数多く発売されました。ただ「ゴジラ」系の怪獣造形といえば、ほかの原型師さんが主に担当していたという印象が強いのですがいかがですか?

その通りです。私は子供の頃のノスタルジーの中で生きている処があって、ウルトラはセブンまで!ゴジラはモスゴジまで!みたいな。
それ以降のモノに食指が動かなかったようです。

11) これまでSFモンスター、東宝怪獣、ウルトラ怪獣など、様々な原型を手掛けられています。それらの原型作品を振り返ってみることはありますか? ある場合、そこでは何か思い出しますか?

たまに手に取って見る事があると、自分でも忘れていた細かい表現や細工に「こんな事もやってたんだぁ!」って感じる事があって、やった自分と、忘れてる自分に驚いています。

12) 個人的な思い入れのある原型ベスト3があればぜひ教えてください

“メタルナミュータント” デビュー作。世界初のソフトビニールフィギュア。かな? “バルタン星人” 初めて手掛けた日本のTV怪獣(星人)だったかナ?
“ガラモン” そもそもがカワイイ!し、それを再現出来た!と、思ってます。

そして、最新作の自信作として今回の“シン・ゴジラ“を加えたいです!

13) 今回はNAGNAGNAGさんからのご指名だったわけですが、ハマさんの原型といえば世界中のガレージキットやソフビのファンにとって注目ですしヒーロー的な存在です。
そうファンに思われていることについて、ハマさんはどのように感じてらっしゃるのでしょうか?

本当にそんな評価をもらえているのでしょうか?実感が無さ過ぎて…

14) 年齢的に目の問題もありリアルモデルの原型は今回で最後かも? とうかがいました。それは本当でしょうか?

4~5本の度の違うメガネを取っ替え引っ替え。気分的にはそろそろ…

15) 以前、リアルモデルではなくデフォルメスタイルの[手踊りシリーズ]などの原型も手掛けられています。
そうしたデフォルメスタイルの原型などへの興味はいかがでしょうか?

すでにやってます。(名前が出ない形で)速く出来るし、楽しい! ただ、デフォルメこそセンスが問われるわけで…


4. 現在のメディコム・トイさんとの活動について

16) 最近、メディコム・トイさんで石ノ森原作の原型を手掛けられました。その縁もあり、今回のご指名だったと思うのですが、
今回の「ゴジラ」プロジェクトへの参加について、改めてふりかえってみた感想を、ぜひ聞かせてください

ハマハヤオ版になっていますでしょうかね?

17) 最後に今回の「シン・ゴジラ」に期待しているファンへのメッセージをお願いします

“シン・ゴジラ” は歴代ゴジラのデザインの中でも最高です!
私も数年ぶりに、身につけた力を振り絞りました。代表作のひとつとして認めてもらえたらうれしいです。



※アメリカ合衆国・カナダからのみご応募可能な商品です。
※抽選受付は4月10日(水)23:59に終了しました。

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